授業科目
(英名)
東洋医学と経絡
(Traditional Oriental Medicine and Meridian)
授業科目コード NN208226Jキ
科目責任者 内田 幸介
1単位
選択
講義
15時間
2学年 4セメスター 専門基礎科目
[授業の概要]
EBMに基づく現代医療の補完療法として、全人的医療のために世界の伝統医学の中で東洋医学が果たす役割と問題点について学修する。また、人体の構造と機能の中心に「経絡」の考え方を位置づけた経絡の概要とその刺激の効用(鍼灸など)について学修する。
[授業の目的]
東洋医学が果たす役割と問題点について学び、経絡の概要とその刺激の効用(鍼灸など)について理解する。
(看護の対象を総合的に理解し、科学的な知識・技術に基づいた看護を実践できる)
[到達目標]
1.世界の伝統医学の流れを概説する。
2.東洋医学の病理・診断・治療の概略を説明する。
3.漢方医学における養生法を説明する。
4.漢方処方を構成する薬用植物の成分・効能を概説する。
5.鍼灸療法と経絡の関係を概説する。
6.現代医学に果たす補完療法の役割と限界を説明する。
回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間
1 10 7 1
【講義】 世界の伝統医学:古代インド・ギリシア・ローマ・アラビアの医療と看護の歴史を学ぶ。 事後学習:配布資料や参考図書などから古代の医療の歴史の概略について纏めてみる。 30分 内田 幸介
上川 雄一郎
2 10 7 2
【講義】 中国の伝統医学:陰陽五行説、黄帝内経、神農本草経、傷寒論について学ぶ。 事前学習:サブノートの該当項目について調べ、その概略を纏めておく。
事後学習:主な薬用植物の成分と効能について、自ら調べてみる。中国及び日本の伝統医学の流れ中での漢方生薬の役割と問題点について、自ら整理してみる。
30分 上川 雄一郎
3 10 21 1
【講義】 日本の伝統医学:丹波康頼「医心方」、後世方派の曲直瀬道三、古方派の永田徳本について学ぶ。 30分
4 10 21 2
【講義】 養生訓を読む:貝原益軒に学ぶ健康長寿の生活習慣指導を習得する。 30分
5 10 28 1
【講義】 漢方生薬の概要:薬用植物の成分と効能、漢方処方の特徴と有害作用を学ぶ。 30分
6 11 11 1
【講義】 鍼灸療法と経絡:鍼・灸・経絡の概要と艾の効用について学ぶ。 30分
7 11 18 1
【講義】 民間療法:民間療法薬・健康食品・サプリメントの役割と問題点を学ぶ。 30分
8 11 25 1
【講義】 薬用植物と現代治療薬:植物成分と現在臨床応用されている治療薬との関わりについて学ぶ。 事前学習:薬理学講義の各疾患治療薬の中から、植物成分と関連の深い薬物(3つ程度)を調べ、その関連性・薬効・臨床応用などについて纏めておく。 60分 内田 幸介

回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間


[成績評価と基準]
 課題レポートによる評価:50%(内容および提出期限は講義時に提示する)
 授業参加度による評価:30%(受講態度、講義時の課題に対する回答状況など含む)
 薬用植物成分と現代治療薬との関わりについて纏めたものの評価:20%(受講者の人数によって、口頭発表を行うかどうか検討する) 
[履修上の注意]
 現代医療の全体像を理解するには、伝統的な医学の流れを学習し、俯瞰的な視点で医療を見つめなおすことが重要である。既に履修している現代薬理学総論を見直し、理解を深めておくこと。「温故知新」を胸に医療者としての質を高めることを目指し、真摯な態度で講義に臨むように。
[教科書]
 特に指定しない。配布資料「東洋医学と経絡 サブノート」を中心に解説する。
[参考書・参考資料]
1.入門漢方医学 日本東洋医学会編 南江堂 2016
2.図説医学の歴史 Aライアンズ・Rペトルセリ著 小川鼎三監訳 学習研究社 1980
3.医心方 丹波康頼編・槇佐知子訳 筑摩書房 1993
4.サレルノ養生訓 佐々木巌訳 柴田書店 2001
5.戦国武将の養生訓 山崎光夫著 新潮社 2012
6.医の旅路はるか-田代三喜と曲直瀬道三 服部忠弘著 パレード 2011
7.養生訓 貝原益軒著・伊藤友信訳 講談社 1982
8.中薬大辞典 江蘇新医学院編 小学館 1985
9.日本薬草全書 水野瑞夫監修 
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)]
 講義終了後に随時質問を受け付ける。
 講義時間外は、科目責任者(内田幸介:k-uchida@dokkyomed.ac.jp、オフィスアワー:水曜日 16時~17時)に連絡すること。
[備考]
・配付した資料をもとにしっかり事前及び事後学習をおこなうこと。
・講義内での質疑には、はっきりと応答すること。
・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。