授業科目
(英名)
国際社会の動向
(Global Trends in Health)
授業科目コード NN103218Bキ
科目責任者 桐木 雅史
1単位
選択
講義
15時間
2学年 4セメスター 基礎科目
[授業の概要]
 現代では、国家の境界を越えた政治・経済の枠組みが広がり、地球規模の災害や環境問題、政治・経済・文化・医療・宗教などの諸分野における問題を国際的に協力して解決に当らねばならない課題が増加している。国際社会における日本の立場や役割を理解し、医療者としての基盤となるものの見方、考え方を身につけるために目まぐるしく変動する国際社会の動向について学修する。
[授業の目的]
 国際社会の動向と国際社会における日本の立場や役割を学び、国際的なものの見方、考え方を身につける。
(国際的視野を持ち看護を実践できる)
[到達目標]
 国際社会の動向について学んだ知識をSDGsの視点から説明する。
回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間
1 10 16 4 【講義】 グローバルな課題としてのNTDs(顧みられない熱帯病)
(“NTDs: Neglected Tropical Diseases” as a global issue)
NTDsを含む感染症に対する国際社会の取組は、MDGs(ミレニアム開発目標)および現行のSDGs(持続可能な開発目標)の課題のひとつでもある。発端となった日本の首相の提言から現在までの流れを概観する。
事前学習:「顧みられない熱帯病(NTDs)」に含まれる疾患(群)の一覧表を書籍またはインターネットで探して見ておく。

事後学習:講義において指示する。
30分 桐木 雅史
2 10 23 4 【講義】 アウトブレイク
(Outbreak)
世界は幾度も感染症のアウトブレイクを経験してきた。2003年に起きたSARSの事例で未知の病気に遭遇した現場で起きたことを紹介し、その後の国際的な感染症監視体制の変化や、新たな事例を解説する。
事前学習:「PHEIC」とは何か。これまでに該当した疾患は何かを調べる。
事後学習:講義において指示する。
30分 桐木 雅史
3 10 30 4 【講義】 地球的環境問題の変遷
(The transition of global environmental problems)
環境問題は、多岐にわたっており、それらの問題解決には、国際的な協力が必要不可欠である。講義では、環境問題のメカニズムを理解すると同時に、国際的な対策の変遷について、最新の締約国会議(COP)などを含め、理解していく。
事前学習:地球的環境問題に対する国際的取り組みには、どのような組織があり、変遷を遂げてきたか、その概略を説明できるようにする。

事後学習:自身の事前学習で得られた知見と講義で得られた知見を総合して、地球環境問題について、他の人に一つでも説明できるようにする。さらに自身ができる環境問題の対策についても考察する。
30分 大平 修二
4 11 12 5 【講義】 A brief history of the National Health System (NHS) in Britain
1. A brief look back at medical history: 医学の歴史を簡単に振り返る
2. The founding of the NHS (National Health System): NHSの創設
3. The NHS today compared with Japan’s healthcare system: 日本の医療制度と比較したNHSの現状
Assignments:
・During the lesson, students will be given a quiz sheet to follow the presentation and worksheets that introduce new vocabulary, these should be completed and then checked at the ECL.
30分 William G. Hassett
5 11 20 3 【講義】 【講義】 なぜ英語を学ぶのか―国際社会における英語の役割―
(Why do we learn English? The role of English in global society)
世界で英語がどのように使われているか、話者の数などの最新情報を交え解説する。また、英語と医療・文化の関係性に着目しつつ、英語という言語とどう向き合ったらいいかを共に考える。
事前学習: 自らのこれまでの英語学習について振り返り、「なぜ英語を学んできたか」を考える。

事後学習: 自らの人生や将来に英語がどのように関わるか、「なぜ英語を学ぶのか」考えをまとめる。
30分 柿谷 丈
6 11 27 4 【講義】 異文化における医療実践
(Medical Practice in Cross-Cultural Settings)
最新の医療人類学的な知見(医学と医療; 病気の分類; 病気の原因; 医療体系; 医療の目的; 説明モデル; 医療化)を解説し、医療と文化・社会の関係についてグループディスカッションを行う。
事前学習: 東南・南アジアから興味のある国を一つ選択し、その医療システムやその実践についての特徴を調べ、日本と比べた長所と短所をあげる。
事後学習: 事前学習で選択した国の多元的な医療体系に言及しながら、抱えている課題に対してどのような対処や介入が考えうるかまとめる。
30分 松岡 佐知
7 12 4 4 【講義】 チェルノブイリ原発事故被災者を対象とした日本のNPOによるウクライナでの医療支援
(Japanese NPOs' medical aid in Ukraine for the Chernobyl Nuclear Power Plant (NPP) accident victims)
1986年4月、ウクライナ北部で発生した原発事故の大規模な環境・健康影響、それに対し日本の市民団体が現地の被災者や医療従事者と協力して行った支援につき、現在の戦時下での支援の最新情報を交え考察する。
事前学習: 1986年に起こったチェルノブイリ原発事故と、現在に至るその医学的・社会的影響について概要を調べる。

事後学習:チェルノブイリ原発事故後に現地で採られた措置と福島第一原発事故後の日本の対応を比較するとともに、日本(政府・民間)による外国での医療支援のあり方を説明できるようにする。
30分 竹内 高明
8 12 11 4 【講義】 感染症を通してみる国際社会の動向
(World trends from the viewpoint of infectious diseases)
人類が紀元前から戦ってきたパンデミックの歴史を振り返り、発展途上国ばかりでなく先進国においても脅威となっている「新興感染症」、「再興感染症」、「世界3大感染症」の現状分析とワクチン開発やその制御に向けた対策に関する最新の知見を紹介する。併せて、環境破壊や温暖化、都市化による過密、交通機関の発達など、現代における感染症拡大の社会要因について整理するとともに、人類が感染症治療のために創生した抗菌薬の不適切使用による薬剤耐性菌問題などが、われわれの社会経済にどのような影響を及ぼしてきたのか、最新の分析事例を交えて概説する。
事前学習: エボラウイルス病、トリインフルエンザウイルスなどをはじめとする新興・再興感染症の実態や新型コロナウイルス感染症について、新聞その他のメディアを通して概要を調べる。

事後学習: 今後、感染症がもたらす社会に対するインパクトや、グローバルな国際保健協力のあり方・取り組みなどを説明できる。
30分 藤澤 隆一
桐木 雅史

回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間


[成績評価と基準]
 授業参加度 (ディスカッションでの発言、質問への回答、リフレクションの記述内容)30%、全授業終了後のレポート内容 70%により総合的に評価します。
 レポートの内容、提出についてはLMS上に提示します。
[履修上の注意]
 事前学習(Preparation)、事後学習(Assignment)が肝要です。
[教科書]
 各講師の配布資料
[参考書・参考資料]
 新聞、英字新聞(The Japan Times, The Japan News)等
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)]
 科目責任者 桐木雅史(熱帯病寄生虫病室/E-mail:kirinoki@dokkyomed.ac.jp)あるいは各講師に直接問い合わせ下さい。
 尚、科目責任者の研究室は医学部基礎医学棟5階539号室です。
[備考]
・外国人講師による授業もありますが、受講生の熱意・興味を重視しますので、英語に自信のない学生でも全く問題はありません。
・日本を客観視し、グローバルな視野が会得できます。
・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。