授業科目 (英名) |
教育原論 (Principles of Education) |
授業科目コード | NN104130J |
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科目責任者 | 東 宏行 | ||
担当教員 | 東 宏行 | 保・助・養の受験資格 |
保健師 : 必修 助産師 : 必修 養教一種: 必修 |
担当形態 | 単独 | 施行規則に定める科目 科目区分又は事項 |
教育の基礎的理解に関する科目 教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想 |
2単位 |
必修 |
講義 |
30時間 |
1学年 1セメスター 基盤科目 |
[授業の概要] 教育の理念、歴史及び思想について基礎的事項の概説を行う。教育の理念や思想を歴史的な視座から、海外の教育思想を含めて概説します。特にルソーからデューイへと連なる子ども中心の考え方、コメニウスからブルーナーへと連なる合理的な教授-学習中心の考え方の2つの軸で整理する。また、子ども観の歴史から見えてくる、現代教育の課題についても概説し、現代の子ども、若者をめぐる様々な現状を素材に、教育という実践過程の輪郭を考察する。 |
[授業の目的] 「DP1.探究心を持ち、自己を教育し続けることができる」力を養うために、教育の理念と思想を歴史的に把握し、子ども中心の教育観と合理的教授-学習中心の教育それぞれの特徴を把握し、近現代日本における教育の特徴を多面的に考察する能力を身につける。 |
[到達目標] 1.教育とは何かという問いに、根拠を持って多面的な視点で説明する。 2.前後日本における子ども・教育観の変遷を説明する。 3.子ども中心主義と合理的な教授-学習中心主義の2つの系譜で教育の歴史と思想を説明する。 4.1980年代以降の日本の教育に特徴的な考え方を、具体例を含めて説明する。 |
回数 | 月 | 日 | 曜日 | 時限 | 授業計画/授業外学習 | 授業計画 | 授業外学習 | 担当者 | |
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事前学習・事後学習 | 時間 | ||||||||
1 |
4 | 16 | 火 | 1 | 【講義】 オリエンテーション・教育とは何か:教育とは何かという難問について、その枠組を概説し、諸概念、教育の本質、目標に関する論点を整理する。特に「教育」の語源、教育の3つのモデルについて解説する。 |
事前学習:シラバスを読み、教育という言葉について、各自のイメージをまとめておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。 |
各回15分~30分 | 東 宏行 | |
2 |
4 | 16 | 火 | 2 | 【講義・演習】 子どもと児童生徒:子どもとは何歳を指すのかを児童権利条約を含めた条例、法令上の定義を概説する。学齢期、義務教育について、年齢上の定義を中心とした考察を深める演習を行う。 |
事前学習:授業受講前に、前回の授業内容を復習しておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。 |
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3 |
4 | 30 | 火 | 2 | 【講義】 学校教育と家庭教育:教育が学校教育を中心に理解されがちな背景を概説し、生涯学習や家庭教育といったひろがりについて説明する。特に教育基本法や生涯学習振興法に触れながら、法令上の根拠にも触れる。 | ||||
4 | 4 | 30 | 火 | 3 | 【講義・演習】 教育関連法令の整理:日本国憲法、教育基本法、学校教育法、学校教育法施行規則を軸とした、教育法令の基礎を学ぶ。e-Govの使い方、文部科学省ホームページ、国立教育政策研究所ホームページの使い方の演習。 | ||||
5 | 5 | 7 | 火 | 3 | 【講義】 教育の歴史的背景:教育がどのように始まったのか、様々な説を取りあげて概説する。人材養成という考え方の登場、優生学的な考え方や矯正教育的な考え方、脱学校論等にも触れ、多様な見方があることを説明する。 | ||||
6 | 5 | 14 | 火 | 3 | 【講義】 子ども・教育観の歴史:戦後日本における「子供」「子ども」「こども」の歴史を概説する。つくりあげる対象から援助する対象へと転換した1960年代を中心に解説する。 | ||||
7 | 5 | 21 | 火 | 2 | 【講義】 子ども・教育観の歴史:1980年代の子ども・教育観の変化を概説する。フィリップアリエス「子どもの誕生」がもたらした視点の転換が、日本の教育観に与えた影響を中心に解説し、ディスカッションを行う。 | ||||
8 | 5 | 28 | 火 | 2 | 【講義】 子ども中心主義と合理的な教授-学習中心主義:教育に関する2つの考え方の系譜を概説するコメニウスからブルーナーへと連なる合理的な教授-学習中心の考え方について、教育思想家を中心に2つの軸で解説する。 | ||||
9 |
6 | 4 | 火 | 2 | 【講義】 合理的な教授-学習中心主義の系譜:コメニウスの「教刷術」からベル・ランカスタ-法の思想に触れ、ヘルバルトの教授法が日本に与えた影響、科学的管理法が学校教育に与えた影響を概説する。 | ||||
10 |
6 | 11 | 火 | 2 | 【講義】 子ども中心主義の系譜(1):子ども中心主義の系譜を、教育思想家の考え方の変遷を中心に概説する。ルソー、ペスタロッチ、デューイへと連なる考え方について、演習を含めた解説を行う。 | ||||
11 | 6 | 18 | 火 | 3 | 【講義】 子ども中心主義の系譜(2):デューイの実験学校以降、第二次世界大戦直後までの様々な改革プラン(ドルトンプラン等)を中心に概説する。また、子ども中心主義が日本の大正自由教育でも始まった点に触れる。 | ||||
12 | 6 | 25 | 火 | 3 | 【講義】 子ども中心主義の系譜(3):戦後の子ども中心主義の教育思想を概説する。フランスのアビ改革、羅生門アプローチの考え方、日本のゆとりの教育等の考え方や背景について解説する。 | ||||
13 | 6 | 25 | 火 | 4 | 【講義】 1980年代以降の日本の教育(1):少年事件の受け止め方と、それを背景とした、教育に関する考え方がどのように変化したのかを概説する。特に1997年の少年事件前後の変化について解説する。 | ||||
14 | 7 | 9 | 火 | 3 |
【講義】 1980年代以降の日本の教育(2):2000年の虐待防止法、少年法改正以降、保護とケアの両面で教育が構想されてきた近年の教育思想の歴史を概説する。 |
事前学習:授業受講前に、前回の授業内容を復習しておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。また、最終回に向けて、全体を通じての質問事項を整理しておく。 |
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15 | 7 | 16 | 火 | 3 | 【講義】 教育の理念、歴史思想のまとめ:全体をふりかえり、まとめと補足を行い、教育制度論に向けた学習のための視点を解説する。 | 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。また、全体を通じて学んだことを整理しておく。 |
回数 | 月 | 日 | 曜日 | 時限 | 授業計画/授業外学習 | 授業計画 | 授業外学習 | 担当者 | |
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事前学習・事後学習 | 時間 | ||||||||
[成績評価と基準] 定期試験:50% 授業への参加度(リアクションペーパー、演習やディスカッションへの参加度):50% |
[履修上の注意] パソコン(スマーフォンも可)・インターネットを使って調べ学習をすることがあります(第4回、その他の回は、事前に授業内で周知します)。 |
[教科書] 特に指定しない。 |
[参考書・参考資料] 勝野正章他編(最新年度板):教育小六法、学陽書房 文部科学省ホームページ http://www.mext.go.jp/ 国立教育政策研究所ホームページ http://www.nier.go.jp/ |
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)] E-mail で受け付けます。メールアドレスは、初回授業時に連絡します。 |
[備考] ・講義資料は事前にLMSに掲載し、学生の学修状況を確認する。 ・演習時は、与えられた課題に基づいて小グループでディスカッションを行い、各々の意見を発表し合う。 ・講義内でLMS等を用いて学生の理解度を確認し、補足説明をする。 ・講義内で実施した小テストやLMSに挙げられた質問について、講義内で回答・解説する。 ・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。 |