授業科目 (英名) |
生徒指導論 (Student Guidance Skills) |
授業科目コード | NN611104J |
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科目責任者 | 東 宏行 | ||
担当教員 | 東 宏行 | 保・助・養の受験資格 |
保健師 : 自由選択 助産師 : 自由選択 養教一種: 必修 |
担当形態 | 単独 | 施行規則に定める科目 科目区分又は事項 |
道徳、総合的な学習の時間等の内容及び生徒指導、教育相談等に関する科目 生徒指導の理論及び方法 |
1単位 |
自由選択 |
講義 |
15時間 |
1学年 2セメスター 養護教諭課程自由科目 |
[授業の概要] 学校教育において、児童生徒に対する生徒指導は、かつて教科指導と並ぶ教育の両輪とされた。教科ごとのカリキュラムにしたがって知識技能を教授する教科指導に対し、児童生徒の問題行動とその予防に関わる指導を主とする生徒指導という位置付けである。しかし、近年は、両者は分化した活動ではなく、ともに一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、知的な能力や社会的資質、行動力を高めることを目指して行われる教育活動という認識へと変化しつつある。 近年の生徒指導は、教育相談という領域を含み、対象となる諸問題も多様化し、専門職との連携においても様々な取り組みが展開している。インターネットの普及や家族関係の変化等を背景に、生徒指導の対象は日々拡張しており、指導方法や制度上の仕組みも複雑化している。本科目ではそうした現状に対し、最新の課題や取り組みを題材とし、広い視野から今後の展望を描く。具体的には「生徒指導提要」を理解し深められる能力を養う。さらに、いじめ防止対策を含む最新の生徒指導の実践を学習し、多様な生徒指導に対応できる資質能力を身につける。 |
[授業の目的] 「DP3.自らの役割と責任を理解し、人々と協働できる」力を養うために、「生徒指導提要」を理解し、生徒指導の実践への応用できる能力を身につける。その際、児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、知的な能力や社会的資質、行動力を高めることを目指して行われる教育活動としての生徒指導を実践できる基盤を涵養する。また、教育相談という領域を含み、対象となる諸問題も多様化する中で、専門職との連携する視点やインターネットの普及や家族関係の変化等を背景に注視する必要がある対象のひろがりについて理解を深める。 |
[到達目標] 学校教職員の一員として必要な「生徒指導」の基礎・基本的内容と事項について確実に学習する。到達目標として以下の4点がある。 1.生徒指導の定義、意義、原理、2軸3類4層構造について歴史的経緯を踏まえて説明する。 2.児童生徒の自己指導能力を養うための具体的な生徒指導の在り方を理解し、例示する。 3.生徒指導の進め方を、制度とかかわり方の両面から理解し、生徒指導上の課題を協議する。 4.不登校、いじめ等の多様な個別課題を理解し、対応と連携方法について説明する。 |
回数 | 月 | 日 | 曜日 | 時限 | 授業計画/授業外学習 | 授業計画 | 授業外学習 | 担当者 | |
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事前学習・事後学習 | 時間 | ||||||||
1 |
10 | 1 | 火 | 2 | 【講義・演習】 オリエンテーション及び生徒指導の概要:生徒指導提要(2022年デジタルテキスト版)の活用方法と構成の概要を解説した上で、生徒指導提要第1章をテキストに、生徒指導の全体像を把握するためのグループ演習を行う。演習後、生徒指導の定義、意義、原理、2軸3類4層構造に関する理解を深めるための解説をする。 |
事前学習:シラバスを読み、生徒指導について、各自のイメージをまとめておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。 |
各回15分~30分 | 東 宏行 | |
2 | 10 | 1 | 火 | 3 | 【講義】 教育課程と生徒指導:生徒指導提要第2章をテキストに、特別活動を中心に、学習指導要領上の教育課程と生徒指導の関係について解説し、集団指導と個別指導の方法原理について説明する。 |
事前学習:授業受講前に、前回の授業内容を復習しておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。 |
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3 |
10 | 8 | 火 | 2 | 【講義】 生徒指導のしくみ:生徒指導提要第3章をテキストに、学校における生徒指導体制の在り方と関連法令について概説する。また、具体的事例を用いて、生徒指導と教育相談の関係、生徒指導の展開、生徒指導主事の役割と養護教諭の連携についての説明する。 | ||||
4 | 10 | 22 | 火 | 2 | 【講義・演習】 自己指導能力と自己の存在感:生徒指導の重要概念(自己指導能力と自己の存在感等)について概説し、実践上の4つの視点(自己存在感の感受、共感的な人間関係の育成、自己決定の場の提供、安全・安心な風土の醸成)に関する解説を踏まえ、グループ毎に理解を深める演習を行う。具体的課題として校則の自己点検活動等にも触れる。 | ||||
5 | 10 | 29 | 火 | 2 | 【講義・演習】 生徒指導の対象理解:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(最新版)を活用し、グループごとに調査演習に取り組み、現代の個別課題を整理する。 | ||||
6 | 11 | 12 | 火 | 2 | 【講義・演習】 生徒指導上の課題のひろがり(1):暴力行為、少年非行、不登校、いじめに関する定義、法令、現状、対応や連携に関する概説と演習を行う。また懲戒の事例や体罰と懲戒の違いについても説明する。 | ||||
7 | 11 | 19 | 火 | 2 | 【講義・演習】 生徒指導上の課題のひろがり(2):児童虐待、子どもの貧困、性に関する課題に関する定義、法令、現状、対応や連携に関する概説と演習を行う。また発達障害や外国につながる児童生徒への配慮についても解説する。 |
事前学習:授業受講前に、前回の授業内容を復習しておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。また、最終回に向けて、全体を通じての質問事項を整理しておく。 |
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8 | 11 | 26 | 火 | 2 | 【講義・演習】 生徒指導上の課題のひろがり(3):SNS、インターネットにかかわる問題、自殺に関する定義、法令、現状、対応や連携に関する概説と演習を行う。また、SNSを活用した生徒指導の試行例についても説明する。 |
事前学習:授業受講前に、前回の授業内容を復習しておく。 事後学習:今回の授業内容をふりかえり、レジュメ(ワークシート)を完成させておく。また、全体を通じて学んだことを整理しておく。 |
回数 | 月 | 日 | 曜日 | 時限 | 授業計画/授業外学習 | 授業計画 | 授業外学習 | 担当者 | |
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事前学習・事後学習 | 時間 | ||||||||
[成績評価と基準] 授業時に実施する確認テストとリアクションペーパーの内容(60%)/最終レポート(Final Report)(40%)で評価する |
[履修上の注意] パソコン(スマーフォンも可)・インターネットを使って調べ学習をすることがあります(事前に授業内で周知します)。 |
[教科書] 文部科学省「生徒指導提要(令和4年12月)」デジタルテキスト (https://www.mext.go.jp/content/20230220-mxt_jidou01-000024699-201-1.pdf) 東宏行、伊東毅著『新時代の生徒指導』2023年、放送大学教育振興会 |
[参考書・参考資料] 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(最新版) 文部科学省ホームページ http://www.mext.go.jp/ 国立教育政策研究所ホームページ http://www.nier.go.jp/ |
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)] E-mail で受け付けます。メールアドレスは初回授業時に連絡します。 |
[備考] ・講義資料は事前にLMSに掲載し、学生の学修状況を確認する。 ・演習時は、与えられた課題に基づいて小グループでディスカッションを行い、各々の意見を発表し合う。 ・講義内でLMS等を用いて学生の理解度を確認し、補足説明をする。 ・講義内で実施した小テストやLMSに挙げられた質問について、講義内で回答・解説する。 ・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。 |