授業科目
(英名)
終末期看護援助論
(End of Life Care)
授業科目コード NN310322Jキ
科目責任者 甲州 優
1単位
必修
講義
15時間
3学年 5セメスター 専門科目
[授業の概要]
 健康障害が終末期にある者とその家族を対象にした看護援助について学修する。
 死の受容および悲嘆の過程を理解し、終末期にある者とその家族が安寧に過ごすための看護援助、および遺族に対するグリーフケアについて学修する。さらに、終末期における倫理的課題やデスエジュケーションについて学修する。
[授業の目的]
 終末期にある者とその家族を対象にした看護援助について理解する。
(看護の対象を総合的に理解し、科学的な知識・技術に基づいた看護を実践できる)
[到達目標]
1.終末期にある対象とその家族の特徴を説明する。(DP-2◎)
2.終末期にある対象の療養の場の違いによる看護の特徴を説明する。(DP-2◎)
3.喪失と悲嘆を経験した人々に対するグリーフケアについて説明する。(DP-1○、DP-2◎)
4.尊厳ある死と意思決定について説明する。(DP-1○、DP-2◎)
5.終末期における倫理的課題を説明する。(DP-1○)
6.終末期に関わる者として自らの死生観について述べる。(DP-1○)
回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間
1 5 8 2 【講義】 ガイダンス 終末期看護の特徴
①終末期看護の概念
②終末期をとりまく今日の状況〔最新〕
 ・日本の社会的状況
③死に逝く過程の身体的・心理的変化
事後学習:
死に逝く過程の身体的・心理的変化についてまとめる。
30分 甲州 優
2 5 15 2 【講義】 緩和ケア病棟における終末期看護
①緩和ケア病棟とは
②終末期の特徴的な苦痛に対するケア
③死に逝く人と何を話すのか
事後学習:
【課題】を提出する。課題の内容および提出方法・期限は、講義の中で説明する。
30分 ゲストスピーカー
荒川翼(茨城県立中央病院/がん看護専門看護師)
甲州 優
3 5 22 2 【講義】 在宅における終末期看護
①在宅看取りの現状〔最新〕
②在宅における症状緩和
③家族支援
事後学習:
在宅における症状緩和、家族支援についてまとめる。
30分 甲州 優
4 5 26 3 【講義・演習】 クリティカルケアの場における終末期看護
①クリティカル期における終末期看護の特徴
②脳死と移植医療
③移植医療における終末期看護
事後学習:
クリティカルケアの場における終末期看護について、まとめる。
30分 迫田 典子
5 6 2 3 【講義】 高齢者における終末期
①高齢者の死生観
②高齢者の死の特徴
③高齢者施設における看取り
④高齢者の死に関わる権利
事後学習:
高齢者の死の特徴、看取り、高齢者の権利についてまとめる。
30分 佐藤 和佳子
6 6 9 3 【講義・演習】 喪失と悲嘆 グリーフケア
①「悲嘆」「喪失」「グリーフケア」の概念
②自然死・突然死を経験した対象者の心理過程
③家族を失った対象へのグリーフケアの実際
事後学習:
【課題】を提出する。課題の内容および提出方法・期限は、講義の中で説明する。
60分 甲州 優
7 6 16 3 【講義】 亡くなられた方の尊厳とエンゼルケア
①亡くなられた方の尊厳
②エンゼルケアの目的と実際
事後学習:
亡くなられた方の尊厳を守るケアについて、まとめる。
30分 ゲストスピーカー
中川 十
(プラスエンゼルセンター)
甲州 優
8 6 23 3 【講義・演習】 死生観の形成と死の準備教育
①安楽死と尊厳死
②尊厳ある死と意思決定にまつわる用語の整理
③アドバンス・ケア・プランニング(ACP)と看護師の役割
④「死生観」とは
⑤死の準備教育
事後学習:
【課題】「別れの手紙」を作成し提出する。提出方法・期限は講義の中で説明する。
60分 甲州 優

回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間


[成績評価と基準]
 課題レポート:50%、授業参加度(グループワークへの参加状況、リフレクションの内容):50%により評価する。
 欠席した場合、その日に出された課題は0点とする。
[履修上の注意]
 終末期看護に関するテレビや新聞の情報に積極的に接すること。また文学作品、参考図書を読むなどして、自らの死生観について考える機会を作ること。
[教科書]
 特に指定しない。
[参考書・参考資料]
1)M.メイヤロフ:ケアの本質-生きることの意味.ゆみる出版,1987.
2)シスター.M.シモーヌ・ローチ:アクト・オブ・ケアリング ケアする存在としての人間.ゆみる出版,1996.
3)遠藤恵美子:希望としてのがん看護 マーガレット・ニューマン‟健康の理論”がひらくもの.医学書院,2001.
4)小此木啓吾:対象喪失-悲しむということ.中公新書,1979.
5)坂口幸弘:悲嘆学入門 死別の悲しみを学ぶ.昭和堂,2010.
6)J.W.ウォーデン:悲嘆カウンセリング改訂版 グリーフケアの標準ハンドブック
7)アルフォンス・デーケン:死を教える〔叢書〕死への準備教育第1巻.メヂカルフレンド社,1986
8)アルウォンス・デーケン:死をみとる〔叢書〕死への準備教育第2巻.メヂカルフレンド社,1986
9)アルフォンス・デーケン:死を考える〔叢書〕死への準備教育第3巻.メヂカルフレンド社,1986
10)アトゥール・ガワンデ (著), 原井 宏明 (翻訳):死すべき定めー死にゆく人に何ができるか,2016
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)]
 科目責任者:甲州 優
  オフィスアワー:火・水 12時~13時(研究室7)
  E-mail:yu-koshy@dokkyomed.ac.jp
  その他、講義終了後のリフレクション(LMS)においても、質問を受け付ける。
[備考]
・講義資料は事前にLMSに掲載し、学生の学修状況を確認する。
・演習時は、与えられた課題に基づいて小グループでディスカッションを行い、各々の意見を発表し合う。
・LMSに挙げられた質問について、講義・LMSなどで回答・解説する。
・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。