授業科目
(英名)
日本国憲法と人権
(The Constitution of Japan and Human Rights)
授業科目コード NN103113Jキ
科目責任者 永井 紹裕
1単位
必修
講義
15時間
1学年 1セメスター 基礎科目
[授業の概要]
 法は、人々の社会生活における行為を規正(コントロール)するものとして、日常生活に深く関わる重要な役割を果たしている。特に、現在の日本の法の基盤であり、日本の国家形態、統治組織、統治作用を規定している日本国憲法について、人権論を中心とした基本原理を学修する。そして、日本国憲法を通して、法とは何か、実生活と法との関連について考える。
[授業の目的]
 日本国憲法における人権論を中心とした基本原理について学び、法とは何か、実生活と法との関連について理解する。
(豊かな感性と倫理観に基づく看護を実践できる)
[到達目標]
1.日本国憲法の基本原理について説明する。
2.具体的事例の考察を通じて、人権論の全体像について説明する。
3.統治機構の基本構造及び国家の役割について説明する。
回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間
1 5 17 1 【講義】 【講義】ガイダンス
憲法の基本原理
憲法の最高法規性(法の段階構造)
立憲主義の生成と変容
(教科書3-11頁)
〔キーワード〕個人主義・自由主義・民主主義・平和主義
【講義】 ガイダンス
憲法とは、憲法と国家、日本国憲法
事前学習:教科書の該当ページ(3-18頁)を読み、わからない単語等を調べておく。

事後学習:授業中に課すコメントペーパーの内容を確認しておくとともに、レジュメや教科書をもとに、ノートに要点をまとめる。
各回60分 永井 紹裕
2 5 24 1 【講義】 基本的人権の理論と実践?・?-格差社会の再来
東奥学園事件第二審判決(仙台高判平成22年3月19日労判1009号6頁)
権利濫用の禁止(民法1条)
(教科書26-27,32-33,80-89,207-216頁)
〔キーワード〕経済的自由権(憲法22条・29条)・社会権(25・26・27条)・法の下の平等(憲法14条)
【講義】 人権総論(人権とは何か)
日本国憲法における人権保障の考え方について最新の判例等を踏まえて理解する。
事前学習:教科書の該当頁(前の講義で指示)を精読し、わからない単語等を調べておく。

事後学習:授業中に課すコメントペーパーの内容を確認しておくとともに、レジュメや教科書をもとに、ノートに要点をまとめる。
3 5 31 1 【講義】 新しい人権としてのプライバシー権
日本国憲法典に規定していない人権保障について理解する。
4 6 7 1 【講義】 【講義】基本的人権の理論と実践?・?-不信・不安・不満社会
最判平成12年2月29日民集54巻2号582頁
Nシステム訴訟(東京高判平成21年1月29日判タ1295号193頁)
不法行為責任(民法709条)
国家賠償(国家賠償法1条)
(教科書15-16,217-226頁)
〔キーワード〕幸福追求権・プライバシー権(憲法13条)・精神的自由権(憲法19・20・21・23条)
【講義】 思想・良心の自由と信教の自由
精神的自由権の内容について理解する。なぜ精神的自由権の保障が重要だと考えられているかを理解する。
5 6 14 1 【講義】 表現の自由
日本国憲法における表現の自由の保障の内容と制限について理解する。
6 6 21 1 【講義】 現代社会と国家の役割?・?-法の支配と「この国のかたち」・日本国憲法
裁判員裁判ストレス訴訟(朝日新聞2013年5月8日)
30日ルール事件(読売新聞2009年12月15日)
(教科書43-48,227-238頁)
〔キーワード〕司法権(憲法第6章)・人身の自由(憲法31~40条)・議院内閣制(憲法第4・5章)・象徴天皇制(憲法第1章)・震災復興・政治主導(財政・地方自治を含む)・国民主権(参政権を含む)
【講義】 社会権(生存権)
社会権の内容について理解する。とりわけ社会権が保障されるべきだとされる背景について理解する。
7 6 28 1 【講義】 人権保障と権力分立の関係
日本国憲法において国家権力がどのような仕組みになっており、それはどのような観点からなのかについて理解する。
8 7 5 1 【講義】 総括-大震災と人権論
大阪高判平成19年8月24日判時1992号72頁
最決平成20年4月3日〔判例集未登載〕
公序良俗違反(民法90条)
(教科書238頁、参考文献2)
〔キーワード〕個人主義・社会関係資本・結社の自由
【講義】 統治機構(国会、内閣、裁判所)
日本国憲法における統治機構の仕組みについて、三権それぞれの内容を理解する。

回数 曜日 時限 授業計画/授業外学習 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間


[成績評価と基準]
成績は、レポートで評価します。
平常点30点、レポート70点の予定です。
(平常点は受講態度、コメントペーパーの内容、授業参加度などで評価します。受講態度は質問への回答や議論への参加などに基づいて判断する。)
[履修上の注意]
教科書の該当箇所を事前に読んでおくこと(初回以外は前の回の講義で指示する)。
[教科書]
安西文雄ほか『憲法学読本(第3版)』(有斐閣、2018年)
[参考書・参考資料]
特に指定しないがいくつか初回の講義で紹介する。
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)]
 電子メールにて受け付ける(メールアドレスは授業中に伝える)。ただし、課題・成績評価に関係する事項は、事務室(看護教務課)を通じて対応する。
非常勤なのでオフィスアワーは設けられないため、授業の前後等に質問すること。
[備考]
・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。