分野 | 専門分野 | 区分 | 看護の基盤となる科目 | 科目コード | |
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授業科目 | ★看護学概論 | 科目責任者 | 板倉 朋世(看護師) |
1単位 |
講義 |
30時間 |
15回 |
1学年 前期 |
[授業の概要] 看護学概論は、「看護とは何か」という看護の概念を学問的にとらえる看護学入門の科目として位置づけられる。看護の本質、看護の役割・機能、看護の方法論等、看護実践の基盤となる知識について学修する。また、看護の歴史的な変遷をたどりながら看護職の可能性と責務について学び、これから展開していく看護学全体の学びへの動機づけを図る。 |
[授業の目的] 看護の本質、看護の歴史、看護の役割と機能、看護の方法論など、看護実践の基盤となる知識について理解する。 |
[到達目標] 1.看護とは何かを説明する。 2.看護における人間、環境、健康、看護の概念と相互の関連を説明する。 3.看護の歴史的変遷を知り、看護学の発展について説明する。 4.看護の対象となる人間に備わる生きる力と回復する力、すなわち、その人の持てる顕在的および潜在的な力と変化に注目し、看護の目的・対象・方法について説明する。 5.健康問題について、生活の側面から援助する意味を説明する。 6.看護職者の役割の特徴を説明する。 7.看護における倫理について説明する。 |
[DPとの関連] DP2 看護の対象を総合的に理解し、科学的な知識・技術に基づいた看護を実践できる |
回数 | 月 | 日 | 曜日 | 時限 | 授業内容 | 授業計画 | 授業外学習 | 担当者 | |
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事前学習・事後学習 | 時間 | ||||||||
1 | 4 | 26 | 金 | 3 |
【講義】 授業ガイダンス 1.本科目の概要・目標・位置づけ 2.受講上の留意事項 看護学への導入 1.看護に対するイメージ ①みなさんが「看護とは」についてどんなふうに考えているのかを知る ②序章から考える ③みんなの考えを共有しあう・・ディスカッション 2.看護の本質について:教員によるナラティブ① 3.リフレクションの入力 ①授業での学び(感想や意見)や質問などを入力する |
事前学習: 教科書「序章」を読み、看護とはについて考えてくる。 |
30分 | 板倉朋世(看護師) | |
2 | 5 | 16 | 木 | 3 |
【講義】 看護の本質について 1.看護とは:教員によるナラティブ② 2.看護の定義 3.看護の本質 |
事前学習: 教科書「第1章 A看護の本質」を読み、看護の定義についてまとめる。 事後学習: 教員が実践してきた看護の体験を聴き、看護について考えたこと・感じたことをリフレクションに提出する(5点)。 |
板倉朋世(看護師) 野口幸子(看護師) 染谷真弓(助産師) |
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3 | 5 | 23 | 木 | 2 |
【講義・GW】 看護の歴史的変遷と法的基盤 1.看護の歴史的変遷、法的基盤を学び、看護とは何か考える 2.以下の項目の担当を決め、各グループで調べた内容をまとめる ①ナイチンゲール以前の看護 ②ナイチンゲールによる近代看護 ③アメリカにおける看護学の発展日本の看護の発展 ④明治期から第二次世界大戦終結までの看護 ⑤女性看護人発祥の地と大関和 ⑥終戦時から昭和中期の看護 ⑦昭和後期から平成初期の看護・現在の看護 |
事後学習: 担当する看護史についてグループでまとめ、発表資料を作成する。 |
田中京子(看護師) | ||
4 | 6 | 5 | 水 | 3 |
【講義】 看護の役割と機能 1.看護ケアについて 2.看護実践とその質保証に必要な要件 3.看護の役割・機能の拡大 4.看護の継続性と情報共有 |
事前学習: 教科書「第1章 B看護の役割と機能」を、看護実践に必要な要素、看護実践の質の保証に必要な要件を考えながら読む。 |
板倉朋世(看護師) | ||
5 | 6 | 7 | 金 | 1 |
【講義】 看護の歴史:グループワーク成果の発表 各グループの発表を聴き、看護の歴史的変遷や法的基盤を理解し、看護とは何か考える |
事後学習: 各グループの発表を聴き、その後のディスカッションを通して学んだことをレポートにまとめる(10点)。 提出方法・提出期限は授業内で提示する。 |
60分 | 田中京子(看護師) | |
6 | 6 | 12 | 水 | 1 |
【講義】 看護の対象の理解①-生活する人間 1.人間の生活者としての側面(生活体)と生物学的に共通する人間の身体的・精神的側面(生物体)を統合して対象者を理解する 2.健康障害によって生物体、生活体にどのような変化が起きるのか ビデオ「あなたの声が聞きたい」を視聴し、脳の障害により遷延性意識障害となった人々の身体的な変化、精神の変化を感じ取る。また、看護の力がどのように回復にかかわっているのか考える |
事前学習: 教科書「第2章 A人間のこころとからだ」を、生活者である人間に対して、看護はどのような役割を果たすのか考えながら読む。 事後学習: ビデオ「あなたの声が聞きたい」を視聴し、感じたこと・考えたことをリフレクションに提出する(10点)。 |
板倉朋世(看護師) | ||
7 | 6 | 24 | 月 | 1 |
【講義】 看護の対象の理解②-家族・地域 1.先天性の障害で運動機能をつかさどる一部がない少女と母親の生活を表したVTRを視聴し、「健康に生きる」ことを実現している生活現象と「人間の持つ力」について考える 2.VTRに登場する主人公の日常生活力をアセスメントし、健康とは何かについて考える 第9回グループワークの課題を提示する |
事前学習: 教科書「第2章 B生涯発達しつづける存在」「C人間の暮らしの理解」を、個人だけでなく家族・集団・地域も看護の対象であることを意識しながら読む。 事後学習: ビデオ「先天性の障害で運動機能をつかさどる一部がない少女と母親の生活」を視聴し、感じたこと・考えたことをリフレクションに提出する(10点)。 |
30分 | ||
8 | 7 | 9 | 火 | 2 |
【講義】 看護の対象の理解③-健康について 1.健康とはなにか、健康をどのように捉えるか 2.障がいとはなにか、障がいをどのように捉えるか 3.第4・5回で視聴したビデオを題材にして、健康と障がい、生活の関係を考える |
事前学習: 教科書「第3章 国民の健康・生活の全体像の把握」を熟読する。 |
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9 | 7 | 18 | 木 | 4 |
【講義】 看護の対象の理解④-環境と健康について グループワーク成果発表 1.療養生活の環境を構成する要素 2.環境が健康に及ぼす影響(温湿度・光・臭気) |
事前学習: 自己の睡眠時間と睡眠環境について2週間チェックし評価してくる。 評価方法は授業資料に記載してあるものを参照する。 |
60分 | ||
10 | 7 | 25 | 木 | 1 |
【講義】 看護の目的・方法 1.「看護覚え書」を通して、看護であること・看護でないことを理解する 2.ナイチンゲール:「看護覚え書 1章から13章」の読み取りを行い、各グループで考えをまとめる |
事前学習: 「看護覚え書」の「はじめに」と「序章」を精読してくる。 事後学習: 各グループの担当章を読み、内容をまとめ、第14回目に発表できるよう資料を作成する。 |
30分 | ||
11 | 7 | 29 | 月 | 4 |
【講義】 広がる活動と看護の専門性 1.専門看護師、認定看護師、特定看護師の活動と役割 2.様々な場で活躍する看護師 3.最新の研究結果からの知見 |
事前学習: 教科書「第7章 広がる看護の活動領域」を読んでくる。 事後学習: 2名の演者による看護活動についての講演を聴き、それぞれの立場における看護の役割と機能を考え、感じたこと・考えたことをリフレクションに提出する(10点)。 |
ゲストスピーカー 戸沢智也(専門看護師) 根本亜紀(認定看護師) 板倉朋世(看護師) |
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12 | 9 | 6 | 金 | 2 |
【講義】 看護の提供者・提供のしくみ 1.サービスとしての看護 2.看護サービス提供の場 3.看護をめぐる制度と政策 4.職業としての看護 5.最新の研究結果からの知見を紹介する |
事前学習: 教科書「第4章 B看護職の資格・養成制度・就業状況」「C看護職者の継続教育とキャリア開発」「第6章 看護の提供のしくみ」を読んでくる。 |
板倉朋世(看護師) | ||
13 | 9 | 11 | 水 | 1 |
【講義】 看護における倫理 1.現代社会と倫理 2.医療をめぐる倫理の歴史的経緯と看護倫理 3.看護実践における倫理問題への取り組み 4.看護研究における倫理 5.最新の研究結果からの知見を紹介する |
事前学習: 教科書「第5章 看護における倫理」を読んでくる。 P.216 考えてみよう②を読み、倫理的な課題について考えてくる。 |
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14 | 9 | 13 | 金 | 2 |
【演習】 看護の目的論 1.「看護覚え書」を読取った内容の発表 2.ナイチンゲールが捉えた看護(看護であること・看護でないこと)について、どのように理解したか発表する |
事後学習: 各グループのプレゼンテーションを聴き、その後のディスカッションを通して「看護であること・看護でないこと」についてA4用紙1枚に記述する(10点)。 提出方法・提出期限は授業内で提示する。 |
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15 | 9 | 20 | 金 | 2 |
【講義】 まとめ これまでの学修を振り返り、看護の定義・目的・役割と機能について再考する |
最終レポート:人間・健康・環境・看護をキーワードに用いて、あなたが考える「看護とは」について記述する(20点)。 提出日:9月27日(金)17時締切り(時間厳守) |
板倉朋世(看護師) |
[成績評価と基準] 講義・グループワークへの参加状況・リフレクションの提出状況(10%)、グループワークの発表(15%)、リフレクションの内容(35%)、提示されるレポート(40%)を総合して評価する。レポートの提出方法・提出期限は授業内で提示する。 ①看護の歴史について(10点) ②看護覚え書きについて(10点) ③最終レポート(20点) |
[履修上の注意] 1.LMS(学習・授業支援システム)に、講義に使用する資料、課題レポートを掲載する。各自、LMSの確認を必ず行う。 2.課題レポートは提出期限を過ぎた場合は受け取らないので注意すること。 |
[教科書] 茂野香おる他:系統看護学講座 専門分野Ⅰ 看護学概論 基礎看護学① 医学書院 (電子教科書) 杉田 暉道他:系統看護学講座 別冊 看護史 医学書院(電子教科書) F.ナイチンゲール:看護覚え書 看護であること看護でないこと 現代社 最新版(電子教科書) |
[参考書・参考資料] 適時紹介する |
[質問への対応(オフィスアワー・E-mail)] ・毎回の授業終了後に質問に対応する。その他、随時受け付ける。 ・メールによる質問は、板倉 朋世 E-mail:itakura@dokkyomed.ac.jp で受け付ける。 |
[備考] ・講義資料は事前にLMSに掲載し、学生の学修状況を確認する。 ・演習時は、与えられた課題に基づいて小グループでディスカッションを行い、各々の意見を発表し合う。 ・講義内でLMS等を用いて学生の理解度を確認し、補足説明をする。 ・リフレクションに挙げられた質問について、講義・LMSなどで回答・解説する。 ・成績評価の結果は、「授業評価の回答および成績評価の講評」に記載しフィードバックする。 |