授業科目 疾病の成り立ち 科目コード 20330
科目責任者 古谷津 純一
1単位
講義
30時間
1学年 後期 専門基礎分野
[授業概要]
疾病のもととなる病態は、種々の臓器病変において共通の成り立ちを有する。本講義では、疾病の様々な病態がいかなる原因や機序で発生するのか、また、どのような形態学的変化が現れるのかについて、組織・細胞レベルで包括的に理解し、その病因から転帰までを病理学的視点から学ぶ。
[学習目標]
1.疾病の原因とそれによってもたらされる病変が、どのような組織・細胞レベルの形態学的変化をもたらすかを説明できる。
2.個々の疾患や病変の成り立ちにおける固有名称やその説明に要する「病理学的用語」を正確に理解し説明できる。
回数 曜日 時限 授業内容 授業方法 授業計画 授業外学習 担当者
事前学習・事後学習 時間
1 10 3 1 【講義】
病理学と病理診断
1. 病理学とは
2. 病理診断:組織診断と細胞診断
3. 病理解剖(剖検)
4. 病理診断科
古谷津純一 
2 10 3 2 【講義】
病因論/老化と死
1. 病理学的な疾病分類
2. 疾病の内因・外因
3. 環境と疾病:医原病,公害病,職業癌
4. 加齢による臓器・組織の変化,死後変化
5. 植物状態と脳死
6. 死亡診断と異状死
3 10 10 1 【講義】
先天異常と遺伝子異常
1. 染色体,遺伝子,ゲノム
2. 先天異常と奇形
3. 染色体異常症:常染色体異常と性染色体異常
4. 遺伝子病
5. 遺伝子診断と遺伝カウンセリング
4 10 10 2 【講義】
細胞・組織の傷害と修復
1. 細胞・組織傷害と適応:肥大,過形成,萎縮,化生
2. 細胞死:壊死とアポトーシス
3. 凝固壊死と融解壊死
4. 組織の変性と物質沈着
5. 組織の修復・創傷治癒:再生,肉芽組織,瘢痕
5 10 17 1 【講義】
循環障害
1. ヒトの循環系,微小循環
2. 鬱血と充血
3. 浮腫,体腔液貯留
4. 虚血と梗塞
5. 血栓症,塞栓症
6 10 17 2 【講義】
循環障害
6. 出血
7. ショック
8. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
9. 血圧と病態
7 10 24 1 【講義】
炎症・免疫
1. 炎症とは:炎症の徴候
2. 急性炎症と慢性炎症
3. 炎症細胞と炎症メディエータ
4. 炎症の各型:滲出性炎,増殖性炎,肉芽腫性炎
8 10 24 2 【講義】
炎症・免疫
5. 免疫系とは
6. 自然免疫と獲得免疫
7. 液性免疫と細胞性免疫
8. サイトカイン
9. 免疫不全症:原発性(先天性)と続発性
10. 過敏症(アレルギー)
11. 自己免疫性疾患,膠原病
9 10 31 1 【講義】
感染症
1. 病原微生物
2. 感染(感染経路),病原性,毒素
3. 菌血症・ウイルス血症と敗血症
4. 宿主の防御機構
5. 日和見感染症
6. 感染の治療と予防
10 10 31 2 代謝障害
1. 代謝とは
2. 脂質の代謝とその異常
3. 糖代謝とその異常:糖尿病
4. 生活習慣病とメタボリックシンドローム
5. タンパク質の代謝とその異常
6. その他の代謝異常(尿酸,ビリルビン)
11 11 7 1 【講義】
腫瘍 (1)
1. 腫瘍とは
2. 腫瘍の分類:上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍,良性腫瘍と悪性腫瘍
3. 異形性と分化度
4. 機能性腫瘍
5. 前がん病変と境界病変
12 11 7 2 【講義】
腫瘍 (2)
6. 腫瘍の発生に関連する因子
7. がん遺伝子・がん抑制遺伝子
8. がんの浸潤・転移:リンパ行性,血行性,播種
9. 腫瘍の全身的影響:悪液質
10. 腫瘍の診断と治療
13 1 16 1 【講義・演習】
病理学総まとめ(1)
これまでの講義の総まとめ
14 1 16 2 【講義・演習】
病理学総まとめ(2)
これまでの講義の総まとめ
15 1 30 2 【演習】
試験


[評価方法]
授業内評価及び筆記試験の総合評価
[履修上の注意]
[教科書]
系統看護学講座専門基礎分野疾病のなりたちと回復の促進1病理学:大橋健一著;医学書院
[参考書・参考資料]
[備考]